リピート記号のことで随分昔、私が講師を始めたばかりの頃ですが、マーカーを引いたり番号をつけたりしてもどうしても覚えられないというので戻ったり飛んだりもせず、ただひたすら進めばいいように切り貼りをしている生徒さんがいました。
大体A3の5〜6枚分になるぐらいの譜面が出来上がるのですが、新しく曲を始める度に切り貼りをされるその労力も大変なものだと思います。
当時あまり否定的なことを強くは言いませんでしたが、次の曲の「弾いていく順番を教えてほしい」と必ず確認を挟んで切り貼りをしてみえました。
色々工夫をすることは決して悪いことではありませんがしっかり覚えれば毎回のそのひと手間が省けるので、当時もっと覚えられる言葉や教える力があれば…と痛感したことがありました。
人間大人になると…歳をとると物覚えが悪くなるといいますが、記憶の司令塔と呼ばれる海馬は命の危険に関わることは忘れず大事な記憶として残しやすいと科学的にも言われています。
残念ながら?楽器が弾けないと…楽譜が読めないと命が取られるわけではないのでなかなか覚えられることが出来ません。
海馬は必要な記憶と不要な記憶を分別する所、記憶を残す為には何度も繰り返しこれは大事な記憶なんだと覚え込ませる必要があります。
一方、ここで年齢的な話しが入りますが立派な大人になる頃には頭の記憶容量は大事な記憶でいっぱいいっぱい。大半の不要と判別された記憶はどんどん捨てていかないとパンクしてしまいます。
ですから不要と判別されないように何度も繰り返すことが必要となります。
それにウクレレやギターは両手が別々のことを常にするマルチタスク状態。大事な記憶として覚えるためには出来るだけピンポイントに1つずつ絞って確実に進めていくのが最も有効ではないのかなと思います。