
「同じ見た目なのに…?」価格と音の違いって?
「木も同じ。見た目もほぼ一緒。なのに、値段が10倍近く違う楽器があるのはどうして?」
そんな疑問、楽器店で一度は感じたことがあるかもしれません。初心者の方には少し分かりづらい部分なので今回はできるだけシンプルにその違いを解説してみます。
①木材のグレードが音を左右する
楽器の音を決める大きな要素の一つが“木材”。 木には種類だけでなく、グレード(品質ランク)があります。
同じ「スプルース」「マホガニー」でも、
→ 繊維が均一か?
→ 節が少ないか?
→ 乾燥がしっかりされているか?
これらの条件をクリアした木材ほど、音の伸びや響きが良くなります。つまり、木材の質=音のポテンシャルなんです。
②「機械製作」と「職人製作」の違い
- 工場製作(量産モデル)
機械で大量に同じ工程で削られるため、木の“柔らかい部分”や“硬い部分”の違いを活かすことが難しい。
音の個性に乏しく、作りは粗めになりがち。弦を弾いた音が短く、余韻が少ない傾向。
- 職人による手工製作
木目の癖を見極めながら、必要な部分だけを丁寧に削る。音の広がりや立体感、余韻の美しさが段違い。
本体が軽く、反応性も高い傾向。
楽器の軽さと“鳴りの良さ”は、こうした工程の差から生まれるんですね。
価格帯によるざっくりとした特徴
- 低価格帯・機械による量産・音は軽く、鳴りがやや乏しい。初心者向けに十分なものもあり。
- 中価格帯・工場+部分的な手作業・音の響きに安定感。鳴りの良い個体も多い。コスパの良い選択肢。
- 高価格帯・職人による手工製作・音の深み・余韻・表情の豊かさが際立つ。こだわる人向け。
初心者のうちは、音の違いを“耳で聴き分ける”のが難しくても大丈夫。
まずは「どう作られているのか」「どんな木材が使われているか」を知るだけでも、楽器選びに安心感が生まれます。
そして何よりも大切なのは――「自分が弾いていて気持ちいい音かどうか」なんです。
値段に振り回されず、ぜひお気に入りの一本と出会ってみてくださいね!